まずは、御社の歩みと事業内容について教えていただけますか?
弊社は創業から70〜80年ほどになる、歴史のある会社です。もともとは商社機能を持つ「島屋商事」と、製造を担う「東洋ポリロン」という親戚筋の2社が合併して現在のトーシック株式会社になりました。私は三代目として、社長に就任してちょうど1年が経ったところです。
主な事業は、コンビニのレジ袋などに使われるポリエチレン袋の製造と卸売です。岐阜県にある自社工場で「インフレーション成形」という技術を用いて製造しており、今回採用した外国人のスタッフも、この工場の製造現場で活躍してくれています。
外国人材の採用を検討された背景には、どのような課題があったのでしょうか。
深刻な「日本人採用の難しさ」がありました。工場の製造ラインは機械を24時間フル稼働させる必要があるため、どうしても夜勤を含む三交代制での勤務が不可欠です。しかし、ハローワークなどで1年半近く募集をかけ続けても、オペレーター候補の応募は一人もありませんでした。
「このままでは現場が回らなくなる」という危機感を持っていた時、知り合いの会社からキャリアカラーズさんを紹介していただきました。正直なところ、最初は「まずは試しに」という気持ちもありました。もし上手くいかなければまた日本人採用を考えればいい、まずは一人雇ってみようと。そんな半信半疑の状態からのスタートでした。
実際に面接や採用をしてみて、重視されたポイントはどこですか?
面接は私と会長、工場長の3名で、オンラインで行いました。特に重視したのは「高所での作業ができるか」と「日本で長く働く意欲があるか」の2点です。
弊社の機械は高さが4〜5メートルほどあり、メンテナンスや操作のために上る必要があります。日本人でも高いところが苦手で仕事にならないケースがあるため、ここは外せないポイントでした。また、弊社の仕事は一人前になるまでに1〜2年はかかります。せっかく仕事を覚えた頃に帰国してしまうのは会社として大きな損失ですので、特定技能の5年だけでなく、その先も試験を受けて日本で働き続けたいという意欲のある人材を選びました。
採用から約1年が経ちますが、現場での様子はいかがでしょうか。
現場の評判は非常に良いですね。一番驚いたのは、彼らの「働く意欲」の高さです。日本人の若者の中には、実家暮らしで「必死に稼がなくても生きていける」という感覚の人材も少なくありません。しかし、彼らは自分の力で稼ぎ、母国へ仕送りをするという強い責任感を持っています。
物覚えの面でも、日本人スタッフより早いのではないかと感じる場面があるほどです。最初は専門用語などの言葉の壁を心配していましたが、日常会話は全く問題ありませんし、今では一人で機械を任せられるほど成長してくれています。真面目で勤勉な彼らの姿勢に、私だけでなく現場のベテランスタッフも非常に助けられています。
オーシャンロード協同組合のサポート体制についてはどう感じておられますか?
本当に助かっています。実は、外国人を雇う上で一番不安だったのが、生活習慣の違いによる近隣トラブルや、プライベートでの問題対応でした。しかし、導入から1年近く、そうしたトラブルは一度もありません。
キャリアカラーズさんが月に一度、こまめに顔出しをして彼らの面倒を見てくれているおかげで、私としては「日本人を雇っているのと変わらない感覚」でいられます。何かあれば任せられるという安心感があるからこそ、本業の経営に集中できています。今では「次もインドネシアの人材にお願いしよう」と社内で話が出るほど、外国人採用への抵抗感はなくなりました。
今後の事業展開と、人材活用についての展望を教えてください。
現在は袋の「原反」を作る一次加工がメインですが、今後は袋の形にする「二次加工」の工程も自社で内製化していきたいと考えています。現在、その加工を担っている外注先は平均年齢が70歳を超えており、将来的な継続が危ぶまれているからです。
新しい工場を作る際には、間違いなくさらに多くの人手が必要になります。その時、もし日本人が集まらないのであれば、迷わずインドネシアの優秀な子たちに追加で来てもらいたいと思っています。多国籍にするのではなく、信頼関係の築けているインドネシアの人材を軸に、強い製造現場を作っていきたいですね。
恵那工場 工場長 橋本様 恵那工場でのお仕事について教えてください。
恵那工場では、ポリエチレンを加工して袋になる前の「原反(げんたん)」という製品を成形しています。私はこの工場に勤めて20年になりますが、昨年末に工場長を引き継ぎました。現在は本社営業と現場のオペレーターを繋ぐ橋渡し役として、スムーズに仕事が進むよう現場管理を行っています。
特定技能のアディさん、アムリさんの働きぶりはいかがですか?
二人には主に成形機のオペレーターを担当してもらっていますが、非常に真面目に取り組んでくれていて大変助かっています。昨年5月の入職以来、遅刻や欠席もほとんどありません。よく「日本人と外国人で違いはあるか?」と聞かれますが、仕事に関しては、正直なところ「日本語の壁」以外に違いを感じることはありません。むしろ、お願いしたことを嫌な顔ひとつせずにやってくれる姿勢は素晴らしいですね。文化や食べ物の違いはあっても、仕事に向き合う姿勢については日本人と全く遜色ありません。
管理職として、受け入れや指導で意識されていることは?
初めての外国人材受け入れでしたが、第一印象から会話もスムーズで安心したのを覚えています。指導の面では、やはり日本語が完全に完璧ではない部分もあるため、ミスを減らすために「必ず確認をすること」「少しでも分からないことがあればすぐに聞くこと」を徹底してもらうようにしています。今後は、彼らが日本で長く働きたいと言ってくれているので、その希望を叶えられるよう、試験に向けた学習なども含めてサポートしていければと考えています。